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青森県立郷土館ニュース

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写真で見るあおもりあのとき 第71回「男女が息合わせ 家ごとに餅つき」

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↑土間で餅を搗く夫婦



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↑のし板で餅をのばす女性達

 今日12月29日は、全国的に餅つきをしてはいけない日でした。「クニチ餅は縁起が悪い」といい「九」の字から「苦」を連想したのです。古くから餅は、正月や節供など特別なハレの日に搗いて、神仏にも捧げられた特別な食物です。

 かつては年末になると各家では土間や前庭に臼を出し、かまどの蒸籠で蒸した餅米を入れて、杵を持った男性が合い取り役の女性と息を合わせて餅を搗きました。蒸したばかりの餅は飛び散りやすいために小さくつき、だんだん大きく強く搗いていきます。搗き終わった餅はすぐに飯ベラなどでタライなどに移し、片栗粉をまぶしたノシ板の上へ広げて、女性達がまるめていきます。床の間の鏡餅や、神仏、各部屋に供えるお供え、雑煮などにして家族で食べる餅などを作りました。何臼分搗いたかが男の力自慢であり、餅を配る親類付き合いの多さを意味しました。

 しかし、次第に餅つきは家ごとではなく、商店街や学校のイベントとなっていきます。昭和46(1971)年には東芝が自動餅つき機「もちっ子」を発売し人気を呼びました。1980年代になるとパック餅を購入するのが主流となり、現在はプラスティック製の鏡餅で、中に切り餅が数個入っているタイプも普及しています。
(青森県立郷土館 小山隆秀。写真は 昭和39年12月に青森市古川で藤巻健二氏が撮影)
by aomori-kyodokan | 2011-12-29 08:55 | 写真で見るあおもりあのとき
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