人気ブログランキング | 話題のタグを見る
ブログトップ

青森県立郷土館ニュース

kyodokan.exblog.jp

写真で見るあおもりあのとき 第14 回「堰流れる水田地帯 53年前の青森市大野」

写真で見るあおもりあのとき 第14 回「堰流れる水田地帯 53年前の青森市大野」 _b0111910_9212966.jpg
↑昭和32年、青森市大野甲子塔付近(安田城幸氏撮影)
写真で見るあおもりあのとき 第14 回「堰流れる水田地帯 53年前の青森市大野」 _b0111910_9214484.jpg
↑上の写真の現在の様子(平成22年8月18日撮影)

 青森市では近年、ニュータウン開発の拡大に伴い田んぼが激減してきました。広大な田園風景は、今や青森環状道路の外側に行かなければ見られません。

 写真の大野地区は、5~6年ほど前まで水田地帯でした。現在この場所に「甲子様の松の木の由来」という案内板があります。甲子様とは大黒様のことですが、それによると大野堰の水は、大野・浦町・浜田六百町歩(約6平方キロメートル)を潤す農業用水であり、飲み水でもあったこと。一本松はその分岐の源点を示すものとして、明治14(1881)年、甲子塔建立とともに植えられたことが記されています。道路右側を流れる小川がその大野堰です。住宅地化した現在、蓋(ふた)がされて流れは見えなくなりました。現在は流雪溝として使われています。

 写真中央、かやぶき屋根の農家には、家の前(南)に、脱穀を控えた稲がオオニオに積まれてあり、左(西)には冬の強風を防ぐ屋敷林が見えます。かつての典型的稲作農家の形態です。現在の写真と比べると、砂利道だった道路は舗装されたものの、同様に屈曲しているのがよく分かります。写真の道路左(西)側、青森南高校より東側は、大野ニュータウンと呼ばれ急速に市街地化が進んでいます。
(県立郷土館・安田道)



※県立郷土館は、県内の行事や街並み、農民の暮らしぶりなどを撮影した古写真を、広く県民の提供を受けるなどして収集しています。当館がこれまで集めた写真の一部を紹介しながら「ちょっと昔のあおもり」の記憶を52回にわたってたどってみます。(この項は、東奥日報社連載記事を転載したものです。)
 昔の写真などをお持ちの方は、青森県立郷土館(電話017-777-1585)までご連絡ください。
by aomori-kyodokan | 2010-11-05 09:25 | 写真で見るあおもりあのとき
<< 写真で見るあおもりあのとき 第... 写真で見るあおもりあのとき 第... >>