ブログトップ

青森県立郷土館ニュース

kyodokan.exblog.jp

第3回北東北三県共同展~境界に生きた人々~東奥日報連載第3回

①末期古墳と北の集落
 飛鳥時代から平安時代前半にかけ、北東北では、末期(まっき)古墳(こふん)とよばれる墓が密集して作られた。県内では丹後平(たんごたい)古墳群(八戸市)と阿光坊(あこうぼう)古墳群(おいらせ町)が有名である。

 墓の多くは中央に木棺(もっかん)を安置した円墳で、周囲に幅1メートルほどの円形溝をめぐらせている。出土品には刀などの鉄製品、土器、各種の玉類、馬具などがあり、南からもたらされた品が多い。
 周辺には同時代の集落が分布していて、中には、有力者の居住を思わせるような大型住居跡が見つかった集落もある。

②南からやってきた逸品
 飛鳥・奈良時代の本県域では、現在の八戸市を中心に多くの集落が出現し、人口が増加したと思われる。気候が温暖化し、北東北でも稲作・畑作が容易になったためであろう。竪穴(たてあな)住居の形状や土器の種類などは南東北のものと共通性があり、南から新たな文化がもたらされたと考えられている。
b0111910_1634136.jpg
 注目されるのが、丹後平古墳群の最大の墓から出土した獅噛式(しがみしき)三累(さんるい)環頭(かんとう)太刀(たち)柄頭(つかがしら)(八戸市博物館蔵=写真)である。両面に牙(きば)をむきだした獅子をおき、周りを3個のC字環(かん)でつないでいる。金を主成分とする金属を貼り合わせたもので、朝鮮半島で6世紀ごろに作られたと考えられている。

 墓自体は8世紀前半のものだが、その100年以上も前の国外産の逸品が副葬(ふくそう)されていた点に、被葬者の権力の大きさが感じられる。
(青森県埋蔵文化財調査センター文化財保護主幹 齋藤岳)
◇       ◇
「境界に生きた人々」は9月17日(金)~10月24日(日)。9月25日(土)は記念講座。詳しくは県立郷土館017―777―1585へ
[PR]
by aomori-kyodokan | 2010-09-27 16:36 | 企画展・特別展 | Comments(0)
<< デーリー東北 連載「懐かしの南... 第3回北東北三県共同展~境界に... >>